産業革命によって企業形態はどのように変化したのでしょうか。
実は産業革命というのは紡績機等の機械だけを改良させたわけではありません。
産業革命というのは労働者階級を作り上げ、現代の社会階層というものを作ったと言えるのです。
それならば企業形態はどのように変化したのでしょうか。
ここでは産業革命が企業形態に与えた影響について解説します。
労働者階級ができあがる
先ほど述べたように、産業革命というのは労働者階級を作り上げました。
それまでは貴族や地主であるジェントリといった階級しか存在せず、労働者という階級は意識されていなかったのです。
しかし、産業革命が起こって工場制機械工業が行われるようになり、労働者の階級が出来上がったのです。
それによって働かせる人、働く人、という区別ができあがるようになりました。
これが現代の企業形態にも大きな影響を与えていると考えられます。
働く人と指示を出す人が分かれていくのです。
労働組合ができあがる
労働者たちが増え、労働者の権利というものが認識されるようになると、労働組合というものが出来上がるようになります。
それまでは団結権などを認められていませんでしたが、産業革命が起こったことによって労働者の階級が出来上がり、企業形態に影響が起こるようになるとその労働者たちが自分たちの声が反映されるようにと求めるようになったのです。
さらに労働者たちが選挙にも参加できるようにと、参政権にも変化が起きました。
それまでは貴族やジェントリなどしか選挙権を持っていませんでしたが、労働者である人々にも選挙権が与えられるようになったのです。
女性と子供について
産業革命によって女性たちも働くようになりました。
それまでの女性たちは例えば結婚している人であれば、家事をこなし、子育てをし、必要に応じて夫の仕事を手伝う、という程度だったのです。
しかし産業革命が起こったことによって女性自身も例えば工場に行って仕事をするなど、独立することが可能になりました。
そしてこれも企業形態に影響を与えていきます。
さらに、紡績機などの機械が改良されたことによって技術を持つ人を雇う必要がなくなり、女性や子供など賃金が安い人々を工場側も雇うようになったのです。
しかしこの時に児童労働という問題が起こり、世界的に厳しく規制されるようになっていきます。
まとめ
いかがでしょうか。
産業革命というのは労働者階級を作り上げたことにより今の企業形態に大きな影響を与えました。
また、労働者と雇い主の格差が出来上がり、資本主義が確立していくのです。