産業革命が起こっていた時、フランスではフランス革命が起こります。
しかし産業革命というのはフランス革命のようにある一定の時期に集中して起こったわけではなく、緩やかに起こったものだといえます。
それならばそんなほぼ同時期に起こっていた産業革命はフランスにどのように影響を与えたのでしょうか。
ここではフランスへの影響について解説します。
イギリス製品が流れ込む
もともとイギリスで産業革命が起こったことにより、他の国々も自分たちの国において産業革命を起こそうと力をつけ、意識的に努力を重ねるようになっていました。
例えば日本においても産業革命の影響を受けて富国強兵が起こります。
ヨーロッパにおいても同様であり、例えばフランスやベルギーも自分たちの国で産業革命を起こそうとしていました。
しかしフランスは1786年に英仏通商条約を結び、自由貿易が推進されてしまったことによってイギリス製の商品が大量にフランス国内に流れ込み、なかなか産業革命を実施することができなかったと言われています。
もちろんその背景にはフランス革命による影響もありました。
フランスの産業革命
イギリスの影響を受けて自分たちでも産業革命を起こそうとしていたフランスですが、フランスの産業革命自体は1830年頃から始まったと考えられています。
しかし技術的にもイギリスと比べると大きな遅れがあり、あくまでも小規模の手工業にとどまっていたのです。
木材の燃料によって機械を動かしていたため、なかなか産業革命を行うまでにも至らず、徐々にフランス革命が起こってしまうことによって産業革命が停滞していたのです。
フランス革命は1789年に人権宣言が出されてから本格化し、フランス革命戦争が終わった後にはナポレオン戦争が引き継がれていきました。
そのため人々は革命に集中していたのです。
フランスには必要なものがなかった
時々、なぜ産業革命がイギリスで起こったのかという議論がなされることがあります。
イギリスはもともと1763年のパリ条約により、フランスに対して有利な位置にあるということが決定付けられていました。
7年戦争が終わったことにより、フランスの力が弱くなったのです。
そしてこれにより、フランスは産業革命を行うために必要な市場や原材料を供給する場所、そして海外市場を失ったのです。
それに対しイギリスは世界の工場と呼ばれるほど世界のあちこちに土地を持っていましたので、産業革命を起こすことが可能になってきました。
まとめ
いかがでしょうか。
フランスはなかなか産業革命を起こすことができず、イギリスが産業革命を起こした後もしばらくは良い影響を受けることができませんでした。
特にフランス革命が収まるまで、フランスは工業に集中することができなかったのです。