産業革命が起こる前、ヨーロッパでは砂糖プランテーションが広がっていました。
特に17世紀に入ってから砂糖の産業が拡大し、砂糖プランテーションが普及していったのです。
それならば産業革命は砂糖プランテーションにどのような影響を与えたのでしょうか。
ここでは産業革命と砂糖の関係について解説します。
産業革命が起こる前の砂糖プランテーション
もともと17世紀に入ってからヨーロッパでは砂糖が消費されるようになりました。
特にイギリスにおいては紅茶を飲むという文化もあり、砂糖が普及していったのです。
そしてこの砂糖というのはカリブ海の西インド諸島にある砂糖プランテーションで生産されていました。
アフリカから送られた黒人奴隷たちが西インド諸島で働き、その砂糖がイギリスに輸出されていたのです。
つまりヨーロッパの人たちが好んでいた砂糖を作り上げていたのは奴隷制でした、そしてその奴隷たちが作った砂糖がヨーロッパに送られるという三角貿易が成り立っていたのです。
産業革命を成り立たせた砂糖
砂糖は産業革命においても非常に重宝されました。
産業革命が起こったことによって労働階級が出来上がり、人々は1日18時間以上もの長時間、働かされたのです。
働いている間の怪我や病気等は一切保証されず、過酷な労働を強いられました。
そんな時に疲れた労働者たちが砂糖を口にすると、たちまち疲れが取れるように感じたのです。
今までは貴族しか口にすることができないような高級品だった砂糖を労働者階級の人たちが口にできるようになり、労働者階級の人々に喜ばれたのです。
奴隷制の急速化
しかし、イギリスが奴隷制をしていたわけではなかったとしても、実際には奴隷制によって作られた砂糖を産業革命で利用するという事は奴隷制を急速化させることと同じでした。
西インド諸島の砂糖プランテーションはより奴隷が必要になったのです。
しかし19世紀初頭から奴隷貿易反対運動が起こるようになり、奴隷制がなくなっていきます。
つまり、産業革命は奴隷制がその一助を成していると言っても過言ではなく、その奴隷制がなくなるのはまだまだ先のことだったのです。
まとめ
いかがでしょうか。
砂糖プランテーションというのは黒人奴隷によって成り立っていた大きな産業の1つでした。
そしてこの黒人奴隷による砂糖が産業革命の労働者たちを支えていたのです。
つまり、この砂糖プランテーションがあったからこそ産業革命が成り立ったということも可能なのです。
なお、労働者たちが過酷な労働環境で働かされていたということに関しては社会問題として注目されることになります。