産業革命では綿織物工業や製鉄業などが盛んになりましたが、盛んになったのはそれだけではありません。
産業革命においては炭鉱労働も盛んになりました。
しかしこの炭鉱労働は子供たちを使ったということで大きな問題となっていきます。
それならば産業革命における炭鉱労働とは一体どのようなものだったのでしょうか。
ここではイギリスの炭鉱労働について解説します。
炭鉱労働における子供たち
実は炭鉱では子供たちが利用されることが多かったのです。
というのはとても狭い立坑に這いつくばって入っていかなければいけないため、子供のように小さな体を持った者が重視されたのです。
特に1842年に出された児童労働の報告書というものに書かれた挿絵が非常に印象的ですが、子供たちは8歳から9歳、早い場合は4歳から5歳で働かされていたと考えられます。
子供たちの労働時間は12時間であり、ひどい場合は18時間を超えて働かされることもありました。
18歳以上になると炭坑夫にさせられたというケースもあります。
子供たちの労働の禁止
1833年には行情報が出来上がり、9歳未満の子供たちの雇用が禁止されました。
9歳から13歳までの子供は9時間労働、13歳から18歳までの子供は12時間労働、そして9歳から18歳の子供には夜間労働が禁止されることになったのです。
しかしこれはあくまでも交渉のことであり、炭鉱労働でこの決まりが守られる事はありませんでした。
しかし先ほど述べた児童労働の報告書を受け、1842年には鉱山及び石炭工業法というものが出来上がりました。
これによって10歳未満の子供の炭鉱における労働というものが禁止されたのです。
ちなみにこの報告書ができあがる前、1838年には炭鉱において子供たちが26人溺死するという事故が起こりました。
劣悪な労働環境
炭鉱労働にかかわらず工場においても子供たちが多く使われており、子供たちが虐待されていたという報告もあります。
この時代は使い捨ての労働力が必要とされており、だからこそ子供や女性といった安い労働力が使われるようになったのです。
もちろん、だからといって働いている間に怪我をしたり病気をしたりしても保証があるというわけではありません。
悪い場合は1日18時間以上働かされ、体調崩したらやめさせられ、また他の人が雇われるという悪循環でした。
だからこそこのような労働環境から労働者たちの権利が守られるようになり、団結権や労働組合を結成するための権利というものが作られるようになったのです。
まとめ
いかがでしょうか。
炭鉱労働は産業革命においても劣悪な労働環境を提供したと考えられます。
特に体が小さな子供たちは炭鉱労働で虐待されながら働かされるケースも多く、これによって児童労働というものが問題視されるようになりました。