産業革命と言えば、18世紀から19世紀にかけてイギリスで起こったものであり、これによってイギリスは世界に力を広げていくこととなりました。
しかしそんなイギリスでも産業革命を経験した後、徐々に衰退していくことになります。
パックスブリタニカとさえ言われていたイギリスが衰退していったのは一体なぜだったのでしょうか。
ここではイギリスが衰退した理由について解説します。
戦争によって植民地を失った
産業革命が終わった後、世界は第一次世界大戦や第二次世界大戦といった時代に入っていきます。
そのような戦争によってイギリスは植民地を失うことになりました。
太陽の沈まぬ国と言われていたイギリスは世界のあちらこちらに植民地を持っていましたが、だからこそその植民地が攻撃されてしまい、イギリスには力が残らなかったのです。
工業国にとって、植民地というのは原料を作るためにも重要ですし、海外市場としても大切です。
戦争によって植民地を失ったことにより、イギリスは衰退していくことになるのです。
啓蒙思想の広がり
イギリスでは清教徒革命と名誉革命という日本の市民革命を経験し、啓蒙思想というものが広がりつつありました。
その啓蒙思想では一般市民が政府に立ち向かうという抵抗権や革命権が指摘されるようになり、それがアメリカの独立革命やフランス革命にもつながっていきます。
それはイギリスでも同様でした。
もともとイギリスは絶対王政の国であり、貴族とジェントルマンの力が強かったのです。
しかしそこに産業革命によって労働者階級が出来上がり、労働者階級も自分たちの力を得るようになりました。
それによってイギリスの支配する力というものが衰退していったのです。
石炭の時代ではなくなった
イギリスの産業革命を支えたのは紛れもなく石炭でした。
もともとイギリスでは木炭が使われていましたが、あまりにも多くの木炭が使われたために木材が不足してしまい、スウェーデンなどから木材を輸入しなければいけなかったのです。
そこで石炭が使われるようになり、これが産業革命でも大きな役割を果たしました。
しかし時代は変化していきます。
徐々に石油や電気が使われるようになり、アメリカやドイツで第二次産業革命が起こり、イギリスの時代が終わりました。
世の中が進んでいたということもイギリスが衰退していった理由になります。
まとめ
いかがでしょうか。
イギリスが衰退していった理由は様々ですが、そこにはイギリス以外の国家が力をつけていたからということが大きな理由になります。
確かにイギリスは第一次産業革命を起こした国でしたが、徐々に力を弱め、他の国が強くなっていくようになるのです。