産業革命というのは世界各地で起こっていますが、世界で1番最初に起こった場所はイギリスですよね。
それならばなぜイギリスで最初に産業革命が起こったのでしょうか。
ここではなぜイギリスが最初だったのか、ということについて簡単に紹介します。
産業革命で必要なものが揃っていた
産業革命を起こそうと思っても、誰もが簡単にできるというわけではありません。
まず産業革命を起こすためには大量の資本が必要であり、そして産業革命で必要な原料を供給する場所、あるいは産業革命によって作り上げたものを得るための市場が必要になります。
また、労働力が必要になりますから人口が必要になります。
そして科学技術というものもそれなりに進んでいる必要があるのです。
イギリスの場合は植民地との貿易によって資本がありました。
当時のイギリスは三角貿易を行っており、インドには東インド会社を設置していたため、資本には困らなかったのです。
そしてインドやカリブ海周辺に植民地があったため現場を供給する場所や海外市場にも困りませんでした。
植民地があるからこそ人口も十分に確保されていますし、科学技術もそれなりに進んでいたのです。
イギリスにおける農業革命
それならばなぜイギリスではそこまでの人口を確保することができていたのでしょうか。
簡単にいうと、すれば農業革命が起こっていたため、食料がたくさんあったのです。
ただしだからといって画期的な農業の機会があったなどということではありません。
農業を通していくことによって食料が増え、最終的に人口を増やすことができたのです。
イギリスに限ったことではありませんが、ヨーロッパでは畑を3つに分け、冬用の畑、夏用の畑、休閑地としてローテーションしていく農業の方法が一般的でした。
3年にいちど土地を休ませることにより土地を豊かにすることができるのです。
しかし、18世紀になると3年のローテーションを4年にするノーフォーク農法というものが出来上がりました。
家畜の餌となるものを育て、次に夏用の畑、そして家畜用の牧草として育て、最後に冬用の畑とする、という方法をとることによって休閑地を設ける必要がなくなり、これによって効率的に食料を維持することができるようになったのです。
また、餌がなくて殺さなければいけなかった家畜を飼育できるようになりました。
これによってイギリスは食料確保が可能だったのです。
賃金が高かった
さらに、簡単にいうならばイギリスは世界で賃金が最も高い地域であったため、誰かを雇うとお金がかかった、という背景も挙げられます。
それならば機械を使うことによって安く利益を出すことが可能になります。
そのような人を雇えばお金がかかる、という意識も産業革命を起こすにあたって重要な考え方だったと言えるでしょう。
安く労働力を使うことができるのであれば機械も導入する必要がないからです。
まとめ
いかがでしょうか。
簡単に言えばイギリスには産業革命を起こしたのに必要なものが全て揃っていたということになります。
この後、ドイツやアメリカ、日本も追いつけ追い越せと産業革命を起こすようになるのです。