産業革命はいきなり起こったわけではありません。
確かに産業革命を行うには労働力や資本、科学技術の発達や海外市場などが必要になりますが、それらが揃っていたからといっていきなり産業革命が起こるわけでは無いのです。
それならばイギリスで起こった産業革命に農業や工業はどのように影響したのでしょうか。
ここでは産業革命と農業や工業の関係について解説します。
農業革命について
もともとイギリスでは農業の生産力を向上させるため、社会構造が変化していました。
イギリスは土地が痩せているため、3年に1度は休ませるという政策をとっていたのです。
しかし家畜の飼育を行い、土地を休ませるというシステムをとらなくなったことにより、農業の生産力が上がり、家畜も買うことができるようになりました。
他のヨーロッパ諸国と同じような生産力を誇ることができるようになり、人口増加をもたらしたのです。
これが徐々に産業革命につながっていきます。
農業では人口が必要ですから、人口増加によって労働力が増え、力をつけるようになったと考えられています。
工業の発展について
人口増加が起こったことにより、都市に住む人々の数も増えました。
そして都市に住む人々が工場で働くようになり、工業が発展したと考えられています。
かつては農業で職を失った人々が都市にやってきて工場で働くようになったとも考えられていましたが、最近では農業は労働人口を必要とするため、農業の生産力が上がったことにより人口が爆発的に増え、都市部の人口が増えたのではないかという考え方が一般的になっています。
工場で働く人が増えたことによって工業が発達し、それによって産業革命が起こったのです。
植民地の影響
そしてそれだけではなく、社会的な背景も産業革命には必要でした。
もともと太陽の沈まぬ国と言われたイギリスは世界のあちこちに植民地を持っており、特に東インド会社を設立し、インドとは深い関係にあったのです。
インドでは綿布を作らせ、それをイギリスに取り込んでいました。
インドで作られた綿布はイギリスでも人気があったのです。
しかし今度はそれを自分たちの国で作ろうという意識が高まり、イギリスでは紡績機などが発明されるようになりました。
そして紡績機の効率を良くするために新しい努力として蒸気機関が発明され、産業革命が始まっていったのです。
そして爆発的な人口や資本などがそれを可能にしていったのです。
まとめ
いかがでしょうか。
農業や工業は産業革命に大きな影響を与えました。
確かに農業や工業が産業革命を起こすきっかけになったというわけではありませんが、あながち無関係とも言い切れないのが現実なのです。